『小さなユリと』(監督:和島香太郎)について

Sプロ『小さなユリと』(監督:和島香太郎)について
上映日時
3/23(金)20:30シアターセブン
3/30(金)18:15プラネット
※同時上映『晴雄の帰省』濱本敏治

はじめまして。

小さなユリと、主演の井俣と申します。よろしくお願い致しまします。


最初、プロデューサーの田邊氏に
黒田三郎氏の詩を
現代の心象風景として描く映画を撮りたい。』という話をお聞きした時、
素直に面白いと思いましたね。

和島監督は撮影に対して
非常に真摯で、多くを語らず朴訥とした印象でしたが、切り取りたい絵はハッキリと見えているように思いました。

監督はきっと無機的な日常に一滴の虚構性を与えられるファンタジスタなんじゃないかと思う。
心情を言葉ではなく空気感という曖昧な、でも日本人である僕らにとっては一番皮膚感覚のある描写の中に
ポエムという馴染みのある虚構性が重なり合ってくる。

最年少女優はなりちゃんの
泣いたり、叫んだり、笑ったりの嘘のないプリミティブなパワーには大人の僕らはどうやっても叶いませんでしたね。
ただ、まだ2歳の子供なので
あのシーン(状況)を作り出すのはハッキリ言って参加した役者、スタッフの皆が
かなりの苦労をしましたね〜。はなりちゃんが物を一つ投げるシーン一つをとっても、ユリの感情として行わなければならないですし、

寝るシーンは撮る時はとにかく、全員はなりちゃんが寝るまでじっと待つとか、、、
もはや大女優の扱いですね。(笑)

『小さなユリと』
愚かで滑稽で愛しい人間たちの素敵な風景をどうぞお楽しみ下さい。


井俣太良